SaaSとAPIの違い:人が使う画面と、システムをつなぐ窓口
サービスを契約することと、自動連携できることを分けて理解します。
「APIがある」と聞くだけでは、欲しい自動化ができるか分かりません。この記事では、画面で行っている仕事を読み取り・書き込み・失敗時の対応に分け、製品の公式資料や担当者に確認できる連携要件を作ります。
SaaSとAPIは、対立する選択肢ではない
Microsoftの説明では、SaaSはクラウド上のソフトウェアをサービスとして利用する形です。MDNはAPIを、ソフトウェアがほかの機能などとやり取りするための機能やルールとして説明しています。つまり、SaaSは提供形態、APIは利用・連携のためのインターフェースで、同じ製品に両方があり得ます。
タイトルの「画面と窓口」は理解の入口です。SaaS自体が画面を意味するわけではなく、APIもWebサービスに限りません。また、画面で使えるすべての操作が、外部向けAPIから使えるとは限りません。
仕事の具体例:問い合わせの一覧を朝にまとめる
架空のチームが、問い合わせ管理サービスから未対応の件数と担当者を取り出して朝の確認に使いたいとします。この目的なら、最初から返信や状態変更まで自動化する必要はありません。「読み取りだけで満たせるか」を先に調べるのが、この記事で提案する進め方です。
- 取得したい項目を決める:問い合わせID、対応状態、担当者、更新日時など。本文や個人情報が本当に必要かも見直す。
- 対象のAPIがあるか確認する:取得条件、ページ分割、取得できる項目、必要な権限を公式資料で調べる。
- 契約条件を確認する:対象プラン、認証方法、呼び出し上限、追加料金の有無は製品ごとに記録する。
- 失敗時を決める:取得できなかった日は「0件」と表示せず、未取得と示して人が確認できるようにする。
コピーして使える連携要件メモ
目的:何の手作業を減らすか
元サービス/契約プラン:
読み取りたい情報/対象条件:
書き込みたい操作:なし/内容
出力先/実行タイミング:
公式API資料URL/確認日:
認証方法/必要な権限:
取得件数上限/ページ分割/利用上限:
取得失敗時の表示・連絡先:
書き込み失敗時に処理結果を調べる方法:
重複登録を避ける仕組み:
保守担当/認証情報の更新担当:
未確認の項目:
結果の確認ポイント
「連携可能」と判断する前に、必要な項目と操作を公式API仕様の該当箇所へ対応付けます。少数データで試す場合も、画面の一覧とAPIの結果について対象条件・時刻・件数・IDを照合し、ページ分割による取りこぼしを確認します。認証情報をコピー用メモや記事へ貼り付けないでください。
書き込む連携では、応答が届かないことを「未登録」と決めつけて再送すると重複につながります。処理結果を照会できるか、再送時に同じ処理と識別できるかを、対象APIの仕様で確認します。この仕組みがあるかどうかは製品ごとに異なります。
今日試すこと
「毎朝、未対応の問い合わせIDと担当者を一覧へ渡す」のように目的を1文にし、要件メモの読み取り欄を埋めてください。必要なAPIがない場合は、公式のエクスポート機能なども候補にして、更新頻度と手間を比べます。
参考資料
- Microsoft Azure|What is SaaS?:SaaSの提供形態。
- MDN|API:APIの意味と利用範囲。個別製品の対応機能は、その製品の公式API資料で確認してください。